労災保険(労働者災害補償保険)の保険給付とその仕組みをわかりやすく解説いたします。もしもの業務災害・通勤災害にご活用ください。
よくわかる労災保険
HOME » 労災保険の基礎知識 » 労働保険料の計算

労働保険料の計算


ほとんどの会社は労働保険と社会保険の適用事業所となっているため、そこで働く限り本人の意思に関係なく強制加入となり保険料が給料から天引きされます。

そのうち労働保険とは、仕事中・通勤途中に負った病気やケガ等に対して保険給付を受けられる労災保険と、失業した場合や教育訓練を受けた場合などに給付を受けられる雇用保険の2つがあります。

この労働保険料の計算方法ですが、次の計算式によって算出します。

労働者に支払った賃金の総額 × (労災保険料率 + 雇用保険料率) = 労働保険料率

労働者に支払った賃金には、基本給や残業手当・通勤手当・ボーナスなど主要なものは含まれますが、退職金や結婚祝金・出張旅費・解雇予告手当・休業補償費などは含まれないので注意してください。

会社に社労士等の詳しい人がいなくて賃金総額に含めるかどうか迷った場合は、お近くの労働基準監督署に聞くと良いでしょう。

そして、労災保険料率と雇用保険料率についてですが、「厚生労働省 平成XX年 労災保険料率」「厚生労働省 平成XX年 雇用保険料率」で検索すると厚生労働省のサイトが1ページ目のどこかに表示されるはずなので、最新の料率を入手してください。

実際には、事業主がこの計算を『労働保険 概算・確定保険料申告書』で行い、6月1日から7月10日までの間に、所轄労働基準監督署・所轄労働基準局、銀行や郵便局などに提出することになっています。

労働保険料の負担は誰がするのか

上記のように労働保険料は労災保険料と雇用保険料の2つから成っていますが、保険料の負担はそれぞれ次のように違います。

労災保険料は全額事業主負担
雇用保険料は労働者と事業主がそれぞれ負担

労災保険は労働基準法で定められている災害補償を事業主の代わりに行うため、労働者は労災保険料を一切負担することなく、全額事業主が負担することになっています。

そして、雇用保険料は労働者と事業主の負担割合があらかじめ定められており、それぞれが負担することになっています。

例えば、平成28年度の一般事業の場合、労働者負担は4/1000、事業主負担は7/1000なので、賃金総額の4/1000が給料から天引きされて納付されるのです。

給料明細でしかみない雇用保険料ですが、このような仕組みで労働保険料として、事業主が処理しています。


関連記事

労災保険は、基本的に、労働者を使用している事業所について強制加入となっています。 その事業所のことを適用事業所と言いますが、以下の適...


給付基礎日額とは、労災保険の現金給付の基礎となる額のことです。 算定事由発生日(事故が発生した日、疾病の発生が確定した日)以前3ヶ月...


通勤中に交通事故に遭えば、通勤災害として労災保険給付を受けられます。 また、仕事中に外回りしていて交通事故に遭うと、業務災害として労...


「労働基準監督署」と「公共職業安定所(ハローワーク)」という公的機関を知っていますか? 前者は知らないけど、後者は知っているという人...


労災保険とは、「労働者災害補償保険法」の略で、業務上の事由又は通勤によって労働者が負傷、疾病、障害、死亡等した場合に迅速かつ公正な保護をす...



コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

最新記事

労災認定の基準

行為中は通勤でなくてもその後に元の道に戻った時は通勤とみなされる「日常生活上必...

労災認定の基準

出勤・退社時に行うささいな事は逸脱・中断とはみなされず、通勤として扱われます。...

労災認定の基準

飲食店に立ち寄り、その後の帰宅途中で災害に遭った場合は、その時の立場によって通...

労災認定の基準

単身赴任している場合、相応の理由があれば、赴任先住居と帰省先住所の移動中の傷病...

労災認定の基準

仕事の掛持ちで2つの会社の移動中に災害に遭った場合も、条件を満たせば通勤災害と...

労災保険カテゴリー

社労士試験

サイト情報