労災保険の特別加入制度とは?
労災保険は、労働者が業務災害又は通勤災害によって被災した場合に保険給付を行うことを主たる目的としています。したがって、経営者等の事業主は加入できません。
しかし、その業務の性質上、労働者同様に保護する必要のある者もおり、条件を満たせば労災保険に加入することができるようになっています。
この制度を特別加入制度と言い、以下の種別に分類することができます。
特別加入者の給付基礎日額
厚生労働大臣が定めた3,500円~20,000円の13階級(家内労働者の場合は、2,000円~20,000円の16階級)の中から、特別加入する者の希望する額に基づいて、都道府県労働局長が決定します。
実際には賃金がないので、収入によって判断することになります。
特別加入者の保険給付
労働者と同様の保険給付を受けられ、社会復帰促進等事業も利用できます。
ただし、二次健康診断等給付とボーナス特別支給金は支給されません。
また、特別加入者には賃金がないため、休業(補償)給付に賃金喪失要件を問いません。
通勤災害により療養給付を受ける場合においても、特別加入者は一部負担金を払わなくても良いことになっています。
特別加入者の保険給付に対する支給制限
次の1、2の場合、政府は、保険給付の全部または一部を行わないことができます。
- 中小事業主の故意または重大な過失によって生じた事故である場合
- 特別加入保険料が滞納されている期間中に生じた事故である場合
特別加入は任意で加入しているので、費用徴収するのではなく、支給制限されます。
特定業務従事者の健康診断等
中小事業主等及び一人親方等が特別加入する場合において、次の特定業務に従事しているときは、特別加入申請書に業務歴を記載しなければいけません。
また、次の特定業務ごとに定められた年数を超えてこれらの業務に従事している者は、健康診断の結果を証明する書類を提出しなければいけません。
- 粉じん作業を行う業務 (3年)
- 身体に振動を与える業務 (1年)
- 鉛業務 (6ヶ月)
- 有機溶剤業務 (6ヶ月)
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