テレビ朝日 違法残業で労災認定!過労死ラインは月80時間
テレビ朝日でドラマ制作に携わる男性プロデューサーが2015年2月に亡くなった際、三田労働基準監督署が労災認定していたことが、2018年5月16日に明らかになりました。
男性プロデューサーは、2013年7月に出張先のホテルで狭心症により倒れ、病院に緊急搬送されましたが、治療の甲斐なく、2015年2月に心不全で亡くなっています。
テレビプロデューサーという特殊な仕事なので、1日の労働時間をしっかり決めることはできず、一定の時間をもって1日労働したと見なす裁量労働制が適用されていました。
したがって、出勤時間・退勤時間は定まっておらず、5時間働こうが、10間働こうが、1日8時間労働とみなされます。
ただし、裁量労働制で働く人は、長時間労働が常であり、短時間労働で帰れることはほとんどありません。
男性プロデューサーの倒れる前、直近3ヶ月の労働時間は、月70~130時間だったことで、三田労働基準監督署に過労死と認められました。
労使協定の定めを超える長時間労働であり、もちろん、違法残業です。
テレビ朝日 過去にも労基署に是正勧告を受けていた
テレビ朝日は、この労災認定に対して、「極めて重く受け止めている。社員の命と健康を守るための対策をより一層進めてまいります」とコメントしています。
しかし、2014~2017年の間に、月100時間労働や派遣社員の17時間労働など、三田労働基準監督署から少なくとも3回、違法残業の是正勧告を受けているのです。
しかも、約3年間、公表せず、発表したのも三田労働基準監督署であることから、反省しているとは思えませんし、隠していたと思われても仕方ありません。
さらに、労災かは分かりませんが、2018年4月21日に、子会社の男性社員が急死しています。
過労死ラインとは?
労災保険は、業務上の事由又は通勤によって、労働者が負傷、疾病、障害、死亡等した場合に保険給付を行いますが、過労死の場合、仕事と過労死の因果関係を明らかにすることが容易ではありません。
そこで、過労死の判断基準となる時間外労働の時間を定めました。
これを「過労死ライン」と呼びます。
過労死ライン
- 発症前1ヶ月間の残業時間が100時間を超えている
- 発症前2~6ヶ月間に、残業時間が1ヶ月平均80時間を超えている
労働者が亡くなった場合に、上記のいずれかを満たしていると過労死と認められやすいですが、この過労死ラインはあくまでも目安であり、これよりも短い残業時間で労災認定されることも当然あります。
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