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福島第一原発の作業員が甲状腺がんで労災認定


2018年12月12日、厚生労働省が、東京電力福島第一原発事故の収束作業に従事し、その後、甲状腺がんを発症した男性について、12月10日付で労災認定したことを発表しました。

この男性は、原発の協力企業に勤め、1993年11月から2011年まで、複数の原発で放射線業務に従事します。

そして、2011年3月11日に発生した東日本大震災によって福島第一原発事故が起き、2011年3月から原発内で電気設備の業務に携わりました。

その結果、2017年6月に甲状腺がんが見つかり、日立労働基準監督署に労災申請されたのです。

厚生労働省は、「医学的、科学的には、被曝との関係が厳密に証明されていない」としながらも、被曝と甲状腺がん発症の因果関係を認め、労災認定しました。

福島第一原発事故に伴う労災認定

福島第一原発事故後、2018年12月までに、甲状腺がん1件、白血病3件、肺がん1件の労災認定が下りており、今回が6件目となりました。

誰かがやらなければならない仕事をして癌になっているので、これらの人は、「われわれ国民の代わりとなって病気に罹った」と言って過言ではありません。

頭が下がります。

また、被曝の労災申請も16件されており、6件が認定され、5件が不認定で、残りの5件も調査中です。

最近、あまり福島第一原発のニュースは流れませんが、収束作業はあまり進んでいないようなので、今後も同じような被害者が出てくるでしょう。

できるだけ早く、福島第一原発が収束することを切に願います。


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